欧州の圧力機器指令:PED,TPED,SPVD,AD2000
欧州の圧力機器規制 PED,TPED,SPVD,AD 2000に対する適合性を確保
潜在的な危険および関連するリスクがあるため、欧州の圧力機器規制は複雑です。製造メーカーは、特定の型式の機器を対象とする様々な製品規格に関する所轄官庁の規則および規制に適合しなければなりません。
欧州では、以下の3つの指令が圧力機器の法的枠組みを形成しています。
圧力機器指令 (PED 2014/68/EU)、移動式圧力機器指令 (TPED 2010/35/EU)、および簡易圧力容器指令 (SPVD 2014/29/EU)。これらの指令に加え、ドイツ圧力容器協会が作成したAD 2000圧力容器規約がドイツで適用されています。
テュフ ラインランドは認定された検査官のグローバルネットワークにより、圧力機器の適合性評価および品質を確実なものにします。テュフ ラインランドの幅広い圧力機器試験および検査サービスを利用し、必要な圧力機器の認証を取得することで、欧州連合(EU)および欧州経済領域内の市場で製品を販売することが可能となります。
欧州の圧力機器規制に対する適合性は、欧州連合以外でも、広く認められています。
圧力機器検査および試験サービスのメリット
テュフ ラインランドは、ボイラーおよび圧力機器の検査および認証において140年以上の経験を有し、市場のニーズを満たすために必要とされる高度な専門知識や業界知識を有しています。
欧州PED認証サービス
欧州圧力機器指令PED 2014/68/EUは、CEマーキングの前提条件として、圧力機器の設計および製造の指針となります。本指令は、圧力容器、蒸気ボイラー、パイプライン、熱交換器、保管タンク、圧力除去装置、バルブ、調整器および最大許容圧力が0.5 barを超えるその他の圧力機器に適用されます。製品のリスク分類に従い、CEマーキングの使用を認めるPEDの適合性を実現するために、さまざまなモジュールの組み合わせを選択できます。
欧州PED認証は、圧力容器の試験、検査および認証のすべての範囲から構成されています。テュフ ラインランドは適合性を評価し、圧力機器の安全性と欧州の指針および規格に対する適合性の両方を確認します。
PED 2014/68/EUのノーティファイドボディとして、テュフ ラインランドの認定された検査官はPED認証取得をサポートし、圧力機器指令に対する適合性を確認します。
設計、製造および検査の全プロセスを通してをお手伝いいたします。テュフ ラインランドは世界中に300人を超える承認された検査官を擁し、製品からシステムおよび要員の認証に至るまで、包括的なサービスを提供します。
製品認証
テュフ ラインランドの専門家は、あらゆる種類の蒸気および圧力機器に関する知識を備えています。簡易圧力容器および機器の認証機関として、欧州圧力機器指令に従い、幅広い製品および機器の試験および認証サービスを提供します。これらのサービスには、以下のものが含まれます。
- プランニングおよび生産段階における圧力機器の製品認証、品質評価および試験
- テュフ ラインランド独自のCape計算プログラムソフトウェアを使用した、圧力機器の計算(CaPE)
- 欧州および国際規制に準じた圧力機器認証(設計承認、個別認証、型式認証)
- TPED 2010/35/EUおよびADR/RIDに準拠した、危険物向け移動式圧力機器の型式認証および社内検査サービスのサーベイランス監査
- 材料検査、材料の適正評価および圧力機器および容器に関する欧州規制に対する適合性評価
- PED 2014/68/EUに準じた、複雑な据え付け設備および組立品の機能的統合性の認証
- 溶接プロセスの認証
システム認証
テュフ ラインランドは製品認証を行うだけではありません。当社の専門家は、PED 2014/68/EU QAモジュール、TPED 2010/35/EU、AD 2000、ISO 3834またはASME規約といった国内・国際規制および規格に従い、システム認証サービスならびにメーカー認証を提供します。
これらの要求事項は、生産中における品質保証のベースとなります。テュフ ラインランドはノーティファイドボディとして、現地および国際規格に準拠し、メーカーとしての品質パフォーマンスを確立するために品質保証システム(QAシステム)を認証します。
欧州指令
テュフ ラインランドは、欧州に関する公認機関として、以下の欧州規格に関連するすべての要求事項に対応します。
- EN 12952、EN 12953:蒸気ボイラーの建設および技能に関する要求事項
- EN 13445:圧力容器の検査および試験に関する指令
- EN 13480:金属工業パイプラインに関する規格
欧州の一部の国では、独自の規制もあります。例えば、英国には、火なし溶融溶接の圧力容器に関する仕様であるPD 5500(BS 5500)があります。一方フランスでは、CODAP 2000がPED 2014/68/EUに適合するために完全に改訂された規約です。ドイツでは、AD 2000 規約が適用されます。AD 2000については、以下の詳細情報をご覧ください。
移動式圧力機器指令(TPED)
移動式圧力機器指令(TPED)は、2010/35/EUの新しいバージョンで指令1999/36/ECとしても知られ、型式認証評価、製造のサーベイランス監査、初期および定期的な検査、移動式圧力機器および容器に関する社内検査サービスの適合性再評価およびサーベイランス監査に適用されます。本指令は、圧力機器の小さな部品も取り扱い、道路での輸送(ADR -道路での危険物の国際輸送に関する欧州協定)、鉄道による輸送(RID -鉄道による危険物の国際輸送に関する規則)および内陸水路(AND - 河川および内陸水路での危険物の国際輸送に関する規則)に適用されます。
TPEDは、危険物の国際輸送に関する欧州協定を実行するための一連の措置です。これは、欧州内で法的枠組みを提供し、ガスシリンダー、圧力ドラムまたはタンクなど、圧力状態で輸送される圧力容器を、現地の承認管理体制に拘束されずに、EUで製造、販売、および操作可能とすることを目的としています。
簡易圧力容器指令(SPVD)
簡易圧力容器指令(SPVD)は、0.5 bar を超える内圧にさらされ、空気か窒素のいずれかを含むことを意図しているが、火にあてることは想定されていない、すべての溶接容器に適用されます。一般的に、これらの圧力容器は簡易設計に基づき、大量生産されます。
SPVDは、すべてのEU加盟国の法律および指令に整合した指令SPVD 2014/29/EUであり、全EU市場で統一された圧力容器機器向けの技術要求事項を作成することを意図しています。
AD 2000
一般的な欧州規格に加え、ドイツおよび他のEU加盟国のメーカーは、各国特有の規制にも適合しなければなりません。ドイツのAD 2000は、圧力容器および他の圧力機器向けの実務規範です。これは、ボイラーおよび圧力容器を専門とする、多数のドイツの協会および機関が所属するドイツ圧力容器協会により作成されました。
AD 2000は、圧力容器および他の圧力機器の安全規格に関するものですが、核利用目的で設計されたすべての製品および機器が除外されます。現在、EU加盟国間では、整合性が義務付けられているため、AD 2000規制も欧州PED 2014/68/EUに厳格に準拠しています。このため、メーカーは、要求されたドイツのAD 2000規則および規制を適用することにより、この特定の認証枠組み内でEU指令の要求事項を満たすことができます。
圧力機器に関する国際的な認証
テュフ ラインランドは、お客様が圧力機器のメーカーが、製品およびシステムの国際的な認証を取得するためのお手伝いいたします。当社の経験豊富な検査官が個別のコンポーネントやシステム全体を検査し、各国の規格に適合しているかを評価します。
当社は66ヵ国で事業を展開し、ボイラーおよび圧力機器向けにワンストップサービスを提供し、世界中で製品を販売できるようにします。
欧州圧力機器指令PED 2014/68/EU認証サービスに加え、当社はASMEボイラーおよび圧力容器認証を含む、圧力容器およびボイラーに関連する他の規則、規約および規格に関する適合性評価サービスも提供しています。
UKCAマーク
UKCAマークの新たな強制日は2023年1月1日となり、それまではCEマークを引き続き使用できます。
ただし、CEマーキングは、英国とEUの規則が同じままである地域でのみ有効です。 EUが規則を変更し、それらの新しい規則に基づいて製品にCEマークを貼付すると、2022年12月31日より前であっても、CEマークを使用して英国で販売することはできなくなります。
テュフ ラインランドはUKCAマーク取得、CEマーキングからUKCAマークへの変更のサポートを提供します。
ダウンロード
溶接、材料、圧力機器の検査および認証 | 808 KB | ダウンロード |
各国規制・認証検索サービス、国際規制情報
各国規制・認証検索では、現地試験の必要性や認証の有効期限など、各国の規制・認証の概要を英語で提供しています。国際規制情報では、世界の規制・国際規格に関する最新情報を英語で提供しています。
オンラインマガジン「tuv.communication」配信登録
月に一度、テュフ ラインランドの最新情報をまとめて、皆さまにオンラインマガジンとしてお届けしています。国際規制情報・新サービス・事例紹介・セミナー情報などをまとめて取得できます。ぜひこの機会にご登録ください。
配信コンテンツ
・業務に役立つ最新国際規制情報
・当社の新サービス
・事例紹介
・セミナーご案内
配信頻度
月1回