機能安全アセスメント: IEC 61496 / 61508 / 61511 / 61800 / 62061、EN ISO 13849
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専門家によるアセスメントで機能安全規格を順守
電気・電子・プログラマブルエレクトロニクス製品・部品は、多くの産業で安全関連用途に使用されており、高度な安全性、信頼性、品質が求められます。それら製品・部品の故障は、人と環境の両方に危険をもたらす可能性があります。
テュフ ラインランドは、安全関連製品やシステムの開発・製造においてIEC 61508やIEC 61511、製品やアプリケーション固有の規格:IEC 61800、IEC 61496、EN 298、EN 13611、EN 81、IEC 62061、ISO 26262、ISO 13849などに準拠するように企業をサポートします。製品を評価して技術分析レポートを発行し、また、製品が対象規格に適合すれば機能安全能力を証明する認証書を発行します。
テュフ ラインランドは第三者認証機関として、機能安全の分野においても豊富な経験を有します。また、テュフ ラインランドの機能安全認証書とその認証マークはグローバルに認知されています。
機能安全認証について、問い合わせる
機能安全認証は要求事項に対するコンプライアンスを意味します
テュフ ラインランドの機能安全製品アセスメントは、規格の要求事項が満たされていることを確認します。製品のコンセプト開発の早い段階からサポートをするため、開発作業の合理化に加え時間とコストの節約を図ることができます。開発プロセスの早期に、障害となり得る恐れのある事項を明確にすることで、開発サイクルにおける想定外の追加リスクを低減することが可能です。関連安全規格への適合は、認証プロセス、適合証明書またはテュフ ラインランドの認証マークを通じて関連する国際安全規格の要求事項を満たしていることを証明し、信頼を高めます。
製品に関する信頼度の高い機能安全アセスメント
テュフ ラインランドの機能安全プロセス
- 求められる安全機能とリスク低減策を特定 - 意図する機能のレビューと検証のほか、ハザード・リスク解析を応用して危険源とそれに応じた安全機能を明らかにします。
- 安全度水準(SIL)を使った製品開発文書の検査による安全機能アセスメント - SILとは、安全関連システムの一部や部品単体ではなく、一連のシステム全体による安全機能の安全度を示します。
- 安全機能の性能確認 - オペレータによる入力エラーや故障モードの可能性を考慮し、特定の要求事項と設計意図に応じて安全機能が動作することを確認します。このためには、認知された機能安全規格に沿ってプロセスを実行する有資格の有能なエンジニアが設計とライフサイクルの両方をマネジメントすることが要求されます。現在、「母体」規格であるIEC / EN 61508またはその工業分野の特定規格が機能安全の標準規格として認知されています。
- SIL検証 - 次の安全関連パラメータを決定することにより行います。安全関連エレメントのハードウェアフォールトトレランス (HFT)、危険側機能失敗平均確率 (PFDavg)、危険側機能失敗平均頻度 (PFH)、および安全側故障率 (SFF) のほか、適切な試験を行います。安全側故障率とは、システムが結果的に安全側に至るエレメントの故障比率です。危険状態や致命的状態は、故障モード影響解析 (FMEA) または故障モード致命度解析 (FMECA) により特定されます。
- 機能安全監査 - 適切な安全ライフサイクルマネジメント手法が製品のライフサイクル段階で一貫して徹底的に適用されていることの証拠を検査・評価します。
自動車部品の場合には、安全関連製品の型式承認、機械的安全関連製品の評価および認証、機能安全試験など、包括的な機能安全アセスメントを提供します。
テュフ ラインランドの機能安全認証サービスの対象となる製品:
- 機械の安全ガードおよび安全コンポーネント(電気的検知保護装置など)
- プログラマブルまたは設定可能な安全機能をもつコントローラ
- 安全機能付き駆動システム
- 安全関連バス通信を行うバスシステム、デバイス
- 燃料/空気用の炉、制御装置および保護装置
- 安全関連モジュールおよびコンポーネント(強制ガイド接点付きリレー、ポジションスイッチ、バルブなど)
- センサー類(位置、温度、流量、充填レベル、圧力、ガス検知用など)
- 安全関連用の特定用途向け集積回路(ASIC)およびフィールドプログラマブル・ゲートアレイ(FPGA)
- ソフトウェア製品(コンパイラ、プログラミング・コンフィギュレーションツール、OS、ハイパーバイザ、ソフトウェア・スタックまたはアダプテーション・レイヤ)
安全関連製品の型式認証
型式認証は製品が関連製品規格を満たし、特定の運用範囲で使用可能なことのエビデンスとなります。また、関連欧州指令のすべてが適用されることから製造者のCE適合宣言の根拠ともなります。
型式認証は以下のフェーズで構成されます。
- コンセプトインスペクション:製品開発と並行して試験を行います。試験機関とメーカーが協力して、初期の製品仕様と構想段階で検査を実施します。
- メインインスペクション:追加の機能安全製品試験が行われます。IEC 61508に基づき、安全度水準 (SIL) に関する必須の定量的計算または妥当性確認、環境適性に関する気候・機械的・電気的試験、電気的安全・装置試験、製品ライフサイクル全体をカバーする故障回避 (品質保証) 対策のアセスメント、製品文書の検査・評価が含まれます(特に設置・運用マニュアルおよび安全マニュアル)。メインインスペクションの結果は最終試験レポートにまとめられます。
- 認証:製品認証と製品ライフサイクルマネジメント認証のどちらも可能です。コンポーネント、システムまたはサブシステムの機能安全要求事項は、それぞれが機能安全規格に沿って独立して認証を受ける必要があります。認証を受けた製品は、特定の用途範囲で特定のSILまたはパフォーマンスレベルに沿って機能的に安全であるとみなされます。認証書は適用範囲と性能限界を記述したテストレポートとともに提供されます。安全関連製品およびシステムに関してテュフ ラインランドが発行した有効な機能安全認証書はすべて、Certipediaオンライン認証データベースに登録されます。
機械的安全関連製品の評価と認証
IEC 61508は機能安全コンポーネント・システムに適用される故障回避・制御対策について規定しています。従業員、社会および環境を保護するために、安全関連システムはIEC 61508に適合する必要があります。テュフ ラインランドは、IEC 61508の要求事項を満たすために書類作成と認定試験を行っています。テュフ ラインランドは以下のサービスを提供します。
- 機械的コンポーネントおよびサブシステムに関する故障モード影響診断解析 (FMEDA) の実施
- フィールドフィードバックの評価
- 認定試験のドラフト、実行および評価
- 機械的コンポーネントおよびサブシステムの故障確率計算
- 全体システムと制御装置の検査および計算
- 製品・システム検査の品質保証評価
- 新技術の研究開発支援
- IEC 61508 または ISO 13849に基づく油圧・空圧・機械コンポーネントの認証
機能安全認証に適する機械製品:
- 安全機能をもつ装置部品
- 工業用バルブおよびサブシステム
- 油圧・空圧・電気機械コンポーネント
- 油圧・空圧・電気駆動装置およびアクチュエータ
- 油圧・空圧制御システム
- 温度、圧力、充填量、流量など物理的な大きさを測定するセンサー
ISO 61508適合後、テュフ ラインランドの「SIL/PL能力」認証マークを付与します。
自動車部品の機能安全試験
安全関連の自動車電気・電子システムの開発・製造に関する要求事項や方法とプロセスは、ISO 26262に規定されています。ISO 26262は特定の安全水準以上の製品の機能安全は外部の試験機関が確認することを求めています。規格への適用は義務ではありませんが、自動車業界では最善の技術投入が考慮され、多くのOEMがサプライヤーに対して同規格を適用することを要求しています。
テュフ ラインランドの自動車部品に関する機能安全サービス:
- 製品試験および製品認証:ISO 26262 および IEC 61508に基づく電子部品の機能安全に関する自主的アセスメント
- 道路走行用車両の電子部品に関する認証プロセスにおけるシステム承認のアセスメントおよび監督:ECE-R 79に基づくステアリングシステム、ECE-R 13 および ECE-R 13Hに基づくブレーキシステム、電気自動車、ハイブリッド車または燃料電池車のさらに高度なシステムなど
- システム開発用ソフトウェアツールの認定
- OEMまたはサプライヤーの機能安全管理システムの認証
- ISO 26262に基づく自動車システム設計トレーニング
さらに、テュフ ラインランドの専門家は、自動車の機能安全に関するすべての指令および規格についての詳細情報提供や、自動車安全度水準 (ASIL) の解説をします。
「機能安全」認証マーク
「機能安全」認証マークは、安全関連用途に使用される製品に付与されます。
「製品安全、機能安全」認証マークは、安全に関わる用途で使用するために、機能安全の製品規格またはアプリケーション規格の適用が求められる製品に付与されます。これらの製品については、規定の安全度水準(SIL、PLその他)に準拠していると証明されなければなりません。
どちらの認証マークの場合も、機能安全のすべての側面を考慮しなければなりません。
- ハードウェアの安全度(設計のフェイルセーフ動作、危険側故障の確率)
- システムの安全度(機能安全マネジメント、故障回避対策、品質マネジメント、文書化)
「製品安全、機能安全」認証マークの場合はさらに、機能安全要求事項、製品要求事項および適用を受ける環境・電気要求事項のすべての側面を考慮しなければなりません。
- 製品規格で規定される要求事
- 電気的安全性
- 環境要求事項
認証マークは、製品がユーザーマニュアルに記載の要求事項に従って規定のSIL / PLに則した安全機能での使用に適することを示します。「製品安全、機能安全」認証マークは、妥当な製品試験の内容が確認されたことを証明します。
相応の要件が満されていれば、サイバーセキュリティ認証マークを一緒に発行することも可能です。インダストリアル・オートメーションのサイバーセキュリティに関してもお問い合わせください。
機能安全における経験と専門知識
テュフ ラインランドのオートメーション・機能安全部門は、DAkkSによりDIN EN ISO/IEC 17065に基づく認証機関としての認定 (DAkkS 証明書 D-ZE-11052-02-01)、DIN EN ISO/IEC 17020に基づく検査機関としての認定 (DAkkS 証明書 D-IS-11052-04-01)、さらにDIN EN ISO/IEC 17025に基づく試験所としての認定(DAkkS 証明書 D-PL-11052-01-00) を受けています。
さらに、テュフ ラインランドの認証マークにはサービスの詳細やレポート、ID番号が必ず記載されており、ID番号を利用して、どの試験や認証サービスが実施されたのかをオンラインで追跡することができます。
機能安全認証について、問い合わせる
テュフ ラインランドのサステナビリティへの取り組み
危険にさらされているのは、私たちの未来にほかなりません。企業、公共機関、当局、そして私たち一人ひとりが積極的に役割を担うことで未来への道は形作られていきます。テュフ ラインランドは、企業が今後何年にもわたって、安全に、サステナブルに、効率的にビジネスを行うことができるよう包括的なサポートを提供します。
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