テュフ ラインランド ジャパンへの転職の理由を教えてください。
1社目は食品メーカーの営業職でした。アメリカに法人設立することになった際は、会社初の女性営業として、自身が現地での法人登録から人事、マーケティングなどあらゆる役割を担当するなど会社の運営を理解する貴重な経験をしました。しかし本社が倒産してしまい、会社のマネジメントシステムの運用の大切さを実感しました。
そして2社目はアメリカの飲料メーカーでの営業でした。そこではサプライチェーンマネジメントをしていたので、二者監査の知識も学ぶことができました。テュフ ラインランド ジャパンへの転職は、今までやってきたことを体系的に総まとめしたいと考え、また、認証を取得されるお客様に、これまでの経験からソリューションのきっかけになるようなものを提案できるかもしれないと思い入社しました。
システム事業部の営業について教えてください。
本事業部では大きく分けて2つのビジネスがあります。1つはISOなどに代表される第三者認証、もう1つはサプライチェーン監査など、二者監査と呼ばれるものです。営業はその審査や監査をお客様に紹介し販売するのが仕事です。目に見える物を売るわけではないため、魅力を言葉で説明しなければなりません。提案を作成する際は、お客様について知るために組織のHP、コーポレートレポートやサステナビリティレポートをみて、事前準備に力を入れています。
営業として大事にしていることが2つあります。1つはお客様の状況をよく理解すること。お客様が何をしたくて、何に悩んで、なぜ認証を取りたいのか。その会社の状況をよく聞き、相手を理解することです。もう1つは自分たちが売っているものをよく理解することです。規格やルール、手順をきちんと理解して、お客様に正確にお伝えすること。認証証を出すということは信用を証明することになるので、営業の段階からきちんとした情報をお客様にお伝えし、安心感を与え、お客様に信頼いただくことが非常に大切です。
システム事業部での昨今のトレンドの規格はありますか?
今、「サステナビリティ」という言葉をよく耳にすると思います。例えばパームオイルの規格RSPOは、日本では2020年東京オリンピックの時に、使用するパームオイルはサステナブルなものでなければいけないということから認証の数が急増しました。
また、バイオマスの規格で、原料から製品まですべてサステナブルであることを証明するISCCも、ここ数年で整ってきた規格の1つです。認証を取得することで、会社の取り組みを対外的にわかりやすく公表できたり、ESG投資の対象になり得るなど、様々なメリットがあります。
自動車業界でいえば、ガソリン車が電気自動車に置き換わっていく中で規格が更新され、情報セキュリティー関連ではクラウドを使った情報の取り扱いについての問い合わせが増えました。
世の中の流れとともに注目される規格がかわったり、新しい規格が登場したり、トレンドは常に変化し進化していきます。
どのようなときにやりがいを感じますか?
やはり一番最初にもらったオーダーは忘れられません。目には見えない認証というサービスを自分の言葉で説明し、お客様に理解をしていただくという長いプロセスの結実であり、前職までの営業職とは比較にならないほど、感慨深いものでした。
1~2年という長いスパンで、様々な情報交換をし、お客様にとって必要な認証なのか、どうして必要なのか、そういったお話を何度も繰り返した後の「お願いします」という一言には、お客様がじっくり考えた上で納得され、そしてオーダーしていただいたことへの喜びを感じます。日々そういうことの積み重ねです。
大きな売上を上げることはもちろん営業としてのやりがいですが、当社の監査審査を受けることによって、お客様の会社が良くなるという思いからオーダーしていただく一件一件に同じように喜びがあります。
最後に、システム事業部門の営業としての今後を教えてください。
ISOと聞くと古めかしいイメージがあるかもしれませんが、世の中の変化に合わせて、形を変えています。AIが発達して、今後いろいろなことがAIで判断出来るようになっていくかと思いますが、私たちが売っている審査というのは形をどんどん変えていくものなので、AIが大きな手助けになることはあっても、審査そのものを置き換えることは難しいと思います。そういう“生きたもの”を扱う面白みもあります。それに対して最新の情報をもって審査を提供するのが私たちの使命であり、その審査の魅力を伝えるのが営業のお仕事です。