新欧州バッテリー規則（EU）2023/1542

欧州委員会は、7月28日に新欧州バッテリー規則（EU）2023/1542を発表し、2023年8月17日に発効しました。同規則は、欧州市場の機能強化（製品、工程、廃棄電池、リサイクルを含む）、循環型経済の推進、電池のライフサイクルの全段階を通じた環境・社会的影響の低減という3つの目標を掲げています。

同規則は、欧州市場に投入されるすべての電池（軍事、宇宙、原子力目的を除く）に対する必要要件を定めています。これらの要求事項は、持続可能性と安全性、表示、マーキングと情報、デューディリジェンス、廃棄バッテリー管理、バッテリーパスポート、グリーン公共調達などをカバーしています。同規則は、電池および電池を含む製品の製造業者、輸入業者、販売業者の義務を規定し、適合性評価手順と市場サーベイランス要件も定めています。セル、モジュール、バッテリーパック、エネルギー貯蔵システム、EVバッテリーシステム、最終製品の製造業者は、この規制に高い関心を払う必要があります。

電池の機能に関しては、充電式電池と非充電式電池が含まれ、電池の構造状態に関しては、セル、電池モジュール、電池システムが含まれる。安全要件は、定置型蓄電池システムについて規定されています。

さらに、電池の設計・性能に関する要求事項として、汎用ポータブルバッテリーの性能・耐久性要求、産業用バッテリー、LMTバッテリー、電気自動車用バッテリーの性能・耐久性要求などを定めています。また、ポータブルバッテリーとLMTバッテリーの着脱性・交換性に関する要求も規定しています。

• 2023年7月28日 欧州連合官報への掲載
• 2023年8月17日 バッテリー規則 正式施行
• 2024年2月18日 バッテリー規則の強制実施
• 2024年8月18日 定置用蓄電池システムの安全性要件、
  2kWhを超える産業用バッテリーおよび電気自動車用バッテリーの性能・耐久性要件、適合性評価手続き、経済事業者の義務の強制実施
• 2025年2月18日 電気自動車用バッテリーのカーボンフットプリント要件の義務化
• 2025年8月18日 サプライチェーン・デューディリジェンスの義務化／廃棄電池管理の義務化
• 2026年2月18日 産業用バッテリーのカーボンフットプリント要件の義務化
• 2027年2月18日
  2Kwhを超える産業用バッテリーと電気自動車用バッテリーのバッテリーパスポートの義務化／ポータブル電池とLMT電池の取り外し可能性と交換可能性
• 2028年8月18日：
  2kWhを超える産業用バッテリー（専ら外部蓄電機能を有するものを除く）、電気自動車用バッテリーおよびSLIバッテリーの再生材料に関する要求事項の義務化。